『The Witcher 3: Wild Hunt』の感想


言わずと知れた名作、かどうかは分かりませんが、『The Witcher 3: Wild Hunt』をプレイしていました。というかメインストーリーは終わりましたが、まだ拡張パックのコンテンツ「Blood and Wine(血塗られた美酒)」をプレイ中です(と、書いてる最中に終わりました)。

ポーランドのゲーム開発会社CD Projekt REDが開発したビデオゲームなわけですが、原作はアンドレイ・サプコフスキよるポーランドのファンタジー小説『魔法剣士ゲラルト』。



まあコレはPS4版ですけれども。僕はPC版で遊んでます。


勧善懲悪を避けたストーリーはメインクエストのみならず、サブクエストでも徹底されていて、要所要所で設けられている選択肢はどれもが正しく思えるし、どれもが間違っているようにも思える。その一択で世界情勢が変わる可能性すら孕んでいて、プレイヤーにとってはエンディングにまで影響を及ぼしてくるのだから、そう簡単には決められない(ちなみに僕はラドヴィッド王暗殺に関わるのは断りました)。


メインクエストの結果でWitcher3の世界は36種類の状況があり、サブクエストの選択結果も反映されるエンディングデモが3種用意されている。


なるほどエンディング自体は3種類。いまどきここまでのゲームであればYoutube見れば全エンディングは確認できてしまうわけですが、僕は見てませんよ。まだ。とりあえず自分のたどり着いたエンディングには納得したので。とうか、やはりストーリーの運びが巧みなので、「これで間違いではない」と思わせるのですね。プレイ時間はメインに50時間、それ以外に50時間、合計100時間が見込まれているそうですが、僕は倍以上費やしました。というかメイン以外はまだ終わってないわけですが。それだけ時間を費やしておいて、じゃあ他のエンディング見るためにどこからやり直せばいいのかな?って確認するのも、もうそれはできねーなって気持ちもあります(笑)。攻略情報も多数あるでしょうが、別に詰まってるわけでもないのに、それはしたくないという気持ち。また時間があれば再プレイもあるかもしれませんが、今のところその予定はない。

硬派なゲームではあると思うけれど、ときどきジョークじみた展開があって微笑ましい(比べるのは違うかもしれないが『The Elder Scrolls V: Skyrim』の方がよほど硬派だと思う)。ケィア・モルヘンで男ウィッチャー3人で、女魔術師イェネファーの衣装(というか下着も含め)を無理やり装着して、どこかの王?とテレビ電話的なアレでつながったときには笑った。しかも王はトイレ中っていう…焦る王に対し扉の外の側近が「紙ですか?お持ちしましょうか?」的なリアクション…。トゥサンで銀行の各部署をたらいまわしにされるクエストも面白かった。

操作性がよいとは決して思えなくて、特に愛馬ローチの操作性がなぜあんな感じなのか。思った通りに動かない。仕様といわれればそれまでだけれど。僕は馬の操作がホントに苦手で、騎乗したまま行うクエストはホントに冷や汗だった。おかげでトゥサンのトーナメントも、レースだけは見事に落としてしまった。なので僕はゴルゴンとは会いまみえていない(でもそれもまたよしと思うわけです。それが自分の力量ですから)。このあたりの問題に関しては、とあるクエストの中で副作用的にローチと会話できるシーンがあるのだけれど、そこでメタ的に語られていて面白い。口笛を吹けば海の向こうからでも現れるのに(プレイヤーが口笛を吹けばローチはすぐそばに飛んできてくれる)、かと思えばちょっとした段差すら引っかかる、これはなぜだ?と主人公が問えば、「できることとできないことがある」と返される。「あなたの馬術はまだ上達の余地がある」といわれるから、「お前がもっと機敏に対応してくれれば」、「勝手にあっちへ行ったりこっちへ行ったりするから…」と返したり…。面白いね。

ストーリーも長いし、サブクエストも複雑に絡んでいるので、次第にそもそもの目的ってなんだっけ?的な状態になったりもしました。映画や小説でもありがちですけれど、ドラマチックな展開に持ち込むために、現実的な選択が排除されているようにも思います。激アツだったのは、やはりケィア・モルヘンの戦いなわけですが、でもそもそもなんでシリを霧の島から連れ出したのかな? そこにいればワイルドハントに見つからないんだったらそこに匿っておけばよいんじゃない?、って思ったりもするんですが。 いずれは見つかってしまうから、いつまでも置いておけないってことかもしれませんが…。でも連れ出して、いわばおとり的に使って、それでワイルドハントをケィア・モルヘンで迎え撃つってやっぱり無理があった気がするなあ。アチラ側も少しずつしか軍隊を送り込めないとはいっても、一国のレベルなわけでしょう、トータルすれば。それを10人弱のウィッチャー+女魔術師+仲間たちで相手にするっていうのは、んー。そのあと訪れる悲劇に対して、僕は「お前がいなければみんな死んでいた」ってフォローしたんですが、シリには「違う。あたしがいたからワイルドハントがやってきた。あたしがいなければ」と返されたんですが、ごもっともです! 言わんこっちゃない! と言いたい。旅の目的はとりあえずシリ捜索であり、シリの行動を追っていく形になるのだけれど、いまいち把握できない。どこでアヴァラックと出会って、次にどこへ逃げて何をして、そしてどこでアヴァラックはウーマ化したのか?などなど。これに関しては必ずまとめている人がいると思ったので、探しましたが、いらっしゃいました。→ 【ネタバレ考察】”複雑”なシリの冒険を最初から振り返る。 やっぱり分かりづらいですよね。この中で『「ワイルドハントが私を忘れた頃」だと思ったシリが、Geralt達が住む世界に戻って来る。』ってところも、おいおいって思いませんか? ねえ。わがまま娘。

インターフェースに関してもいろいろ言いたいことはあるけれど、この辺はmodを探して導入すれば解決するのかもしれない。特に武器や防具の製作に関しては、作ろうとしているものをすでに所持しているか否かが表示されて欲しかった。ウィッチャー装備はストーリーが進むとアップグレードできるようになるけれど、常に全部を持ち歩くわけにはいかないので、とりあえず倉庫に預けておくのだけれど、そうするとどれをどこまで作ったのか忘れてしまうんですよね。何個も作ってしまったよ…。あと必要素材が店に売っているかどうか分かりやすくする「レシピ」という概念も良いが、もっと簡潔にできるのではあるまいか。

あと抽出液、ほとんど使わないというか、使うものが決まってくるっていう。効果が分かりにくいものはほとんど使わなかったし、それでも戦いには勝ててしまうし、その辺り、ちょっと空しかった。「黒い血」は効果的だった。弓矢の使いどころも、もうちょっとあると面白かったのになあ。威力が小さすぎる(これは頑張れば変異で強化できますね)。

というのは、まあ些細なことで。実際ドラマチックな物語には心を動かされる(ときにわき道にそれるけれど)。寡黙で皮肉屋で決してヒーローではない(というかそれはプレイヤーの選択次第だ)主人公、ゲラルトの人物像も好ましい。僕好みだ。ちなみに初期設定では髪型は決まっていて、時間経過とともに髭が伸びていくのだけれど、これは物語中に何か所か存在する床屋でカスタマイズできる。僕が好んでいた髪型は横は刈り上げ、トップは短め、うしろはポニーテール、髭は綺麗に剃るというスタイル。装備で長く愛用したのは前半は猫流派の装備、後半は新月の装備、蛇流派の装備、剣はイリス、ティール・トカール、エアロンダイトでした。

もっとも印象的だったクエストは(暫定的ですが)、ウィッチャーと対峙するやつですね。詳細は割愛しますが、2つほど、ウィッチャーと戦うか否かという選択を強いられるクエストがありました。ひとつは見逃し、ひとつは成敗しました。ランバートにはめっちゃ怒られましたが(笑)。モークヴァーグが絡む「狼の皮をかぶって」もどう解決するか悩みました。が、人間に戻した後で成敗してやりました。呪いは解いてやっただろっていう言い分でいいでしょうか。

きわめて濃厚なゲームであったわけですが、しかし僕は1も2もすでに購入してしまったんだなあ。2の日本語版は起動するのにちょっと根性がいるみたいだけど、そこまでたどり着けるかな。どうでしょうか。行ってしまったら、またしばらく戻ってこないのでしょう。アハハ。



おまけ:【ウィッチャーあるある】プレイしすぎて日常生活の歩き方がゲラルトっぽくなる。



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